ヤフオクでまぁまぁの値段で出品されていたQNAPのNASキットTS-251+を落札しました。
以前から気になっていたNASキットですが、BuffaloのNASと入れ替えることでいろいろ捗ることが分かりました。
この記事では、NASとはどういうものか、またNASとNASキットの違いやNASキットを導入するメリットなどを紹介します。
NASとは
NASとは、わかりやすくいうと「LANに繋がっているハードディスクで、パソコン・スマホ・タブレットでデータを共有できるもの」です。
ワードやエクセルなどのデータはもちろん、写真や音楽、映像データまで、およそコンピュータがファイルとして扱えるものは、ほとんど共有できます。
スマホで撮った写真やビデオカメラの映像データをNASにまとめて保存すれば、管理も簡単で空き容量に悩むことも少なくなるでしょう。
またNASに保存した音楽データをスマホで再生する、といったことも難しくありません。
パソコンが一家に一台という時代から、一人ひとりがスマホを持つのが当たり前というように変化した今、NASが一家に一台あってもおかしくない時代がきているのかもしれません。
NASとNASキットの違い
このようなNASですが、NASには初期設定を行えばすぐ使える完成品のNASと、ハードディスクが最初から組み込まれてないNASキットの2つのタイプがあります。
NASキットは組み込みハードディスクを用意したうえに、完成品NASと比べて初期設定に手間がかかりますが、それ以外にいくつか違いがあります。
NASキットはハードディスクの交換が簡単
最近の完成品NASはハードディスクが交換できるような作りになっているものが増えていますが、これはハードディスクが故障した場合に交換するためのもので、容量が足りなくなった場合に大容量のハードディスクに交換する、ということは想定されてないものが殆どです。
一方NASキットの場合、2ドライブ以上取り付けられるものは、容量が足りなくなった場合により大容量のハードディスクに交換できるものがあります。
またNASキットによっては、使用中のハードディスクをそのまま後発モデルのNASに組み替えて使えるものもあり、少ない手間で機器を入れ替えられるといったメリットもあります。
柔軟なカスタマイズが可能なNASキット
完成品のNASは詳しくない人でも簡単に使えるように、一般に広く求められる機能は一通り用意されています。
反面、パソコンのようにソフトを追加する機能はないため、別の機能が必要となった場合はNAS自体の買い替えや買い足しを検討することになります。
NASキットはおよそ完成品のNASが持っている機能は一通り使えます。ただし、その機能を使うかどうかは利用者の判断でカスタマイズ出来るようになっています。
カスタマイズできる機能はかなり多く、Webサーバーやデータベースなどの機能を組み込むことも難しくありません。
NASキットを導入する最大のメリット、コンテナと仮想化
NASキットを導入するメリットとしてコンテナと仮想化は避けて通れないといってよいでしょう。
コンテナ(≒Docker)の説明は割愛しますが、コンテナ使えることできることは多岐にわたります。一例をあげると
- WordPressのWebサイトの動作テスト
- Redmineでタスク管理
- GitLabでソース管理
このようなことが簡単に行えるようになります。タスク管理やソース管理は個人レベルで使用することは少ないと思いますが、Webサイトの動作テストは個人レベルで使用する場合もあるでしょう。
すべてのNASキットでコンテナ、仮想化が使えるわけではありませんが、専用サーバーを用意せずにこのようなアプリケーションが使えることで出来ること、やりたいことが広がります。
さらに仮想化が扱えるNASキットの場合、Windowsや各種Linuxをインストールできますし、HDMI出力を持つNASキットであれば、そのままデスクトップPCとして使うこともできます。
落札したTS-251+とは
落札したNASキットはQNAPが発売した家庭やビジネス用途にも対応できるモデルで、位置づけとしてはHomeハイエンドのNASキットです。
発売が2015年くらいのものなので執筆時点で6年は経過しているものですが、 Intel® Celeron® クアッドコアCPUを搭載し、最大メモリは8GB(公称)までとなっており、コンテナをいくつか動かしても耐えられるくらいの能力はあります。
それまで使っていたバッファロー製のNASはHDDが故障したものを引き取って、別のHDDに入れ替えたものでした。
ビデオカメラで撮影した動画などを保存する機会が増えたことでNASの空き容量が少なくなり、買い替えや買い足しの必要性を感じていたころだったのですが、似たようなNASを買うよりも、いろいろなことができそうなNASを試してみたいという気持ちがありましたので、NASキットを試してみようと思って落札したのです。
普通に新品のNASキットを購入してもよかったのですが、コンテナや仮想化が問題なく使えるNASキットで、高耐久かつ大容量のハードディスクを用意するとなると、10万円近くの出費は覚悟する必要があります。
未経験の使いこなせるかわからないNASキットに、そこまでの費用をかけるのもどうなのか……という思いもあったため、中古品を入手することしたわけですが、結果的にNASキットを導入したのは正解でした。
NASの空き容量問題が解決したのはもちろんですが、古いバッファロー製のNASと比べても転送速度などのパフォーマンスは向上しました。
落札したNASキットは16GBのメモリを載せていたので(公称は最大8GBですが、16GBは認識することは事前に確認済み)多くの機能を有効にしたり、複数のコンテナを動作させてもCPUもメモリも余裕がある状態で動作できているようです。
懸念していたNAS自体のデータのバックアップはそれまで使っていたバッファロー製のNASに残せることもわかりました。
QNAPのNASキットで出来ることはここでは語りつくせないので、個別に記事にしていこうと思います。
NASキットはQNAP以外にSynology、ASUSTOR、NETGEARなどの海外メーカーから各種発売されていますが、残念ながら国内メーカーのバファロー、アイ・オー・データからはNASキットは発売されていません。
完成品NASは手軽に導入できる、国内メーカー製ならサポートも安心といったメリットはありますが、NASキットと比べて柔軟なカスタマイズなどはあまり期待できません。
いろいろなことをNASでやりたい、という考えであれば導入や運用が多少難しくてもNASキットの導入にチャレンジすることをおすすめします。
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