縦ぽん!!

ウェブに関する話題で、数年ほど前からだろうか「SEO対策」というキーワードを見かけるようになった。要は「作成したウェブサイトやブログへより多くの閲覧者を呼び込むために行うべきこと」ということになるが、私個人は「過剰なSEO対策は必要ない」と考えている。

SEOというキーワードに囚われると、小手先のテクニックにこだわるあまり、余計なことに気を取られ、肝心なコンテンツの質を落としかねない。よりよいコンテンツを提供するという本質を見失うことがないよう、SEO対策はほどほどにしておくべきだ。

今回はWordPressに関連した話題ということで、ウェブサイトやブログにおけるSEO対策について触れようと思う。

なぜWordPressではSEO対策が不要なのか

まず最初に「WordPressではSEO対策がほとんど不要」ということを伝えておきたい。それはWordPressと何かしらのテーマを使用している時点で、ツールとしてのSEO対策がほぼ完了しているからだ。

いくつか例を挙げてみよう。

SEO対策などで「h1タグが重要だ」とか「パンくずリストを設置した方が良い」とか「他ページへのリンクを設置して誘導できるようにする」といった事がよく言われるが、このようなものはWordPressのテーマで既に対策されていると考えてよい。

また、WordPressの標準機能では出力されないXMLサイトマップも、テーマで出力対応されていたり、プラグインを導入することで出力が可能になる。

その他、近年はスマートフォンへの表示対応もSEO対策と言われているが、これについては言うまでもなく、著名なテーマを使用していれば適切に表示されると思ってよい。

WordPressと多くのテーマはバージョンアップを重ねており、当然ながらその中にSEO対策というものは含まれているはずだ。であれば、利用者側があえて特別なSEO対策をしなくても、気に入ったテーマを使用して、必要な設定を行うだけである程度の対策は済んでいるということになる。

常に変わっているGoogle検索への対策を考えてみる

SEO対策ということを別の視点から考えてみる。ぶっちゃけた話、SEQ対策イコールGoogle検索への対策ということになる訳だが、Google検索の仕組みは常に変わっているということを頭に入れておく必要がある。

検索の仕組みが不変なものであれば、過去の実績から得られた効果的な対策が以後も有効となるだろうが、実際はそうではない。さまざまなアップデートや内部の処理の見直しなどにより、これまで有効だったGoogle検索への対策が無意味なものになることが十分考えられるからだ。つまり、常に有効な対策というものは存在しないと考えるべきだろう。

例えば、近頃「ブログのタイトルのつけ方が重要」というような内容の記事を多く見かけるようになったが、このような記事はSEO対策という言葉の登場にあわせて増えてきたと思う。記事の内容の信ぴょう性はともかく、現時点ではおそらくこれらの記事で書かれている手法は有効かもしれない。

しかし、ある日突然、その工夫を凝らしたタイトルのつけ方に対して、Googleが何らかのペナルティを与えるようになったとしたらどうすればよいのだろうか。タイトルを書き換える……? ひとつやふたつならともかく、記事が大量にあった場合もすべて書き換えるというのは現実的ではないだろう。

そもそも、Google検索に対して有効と言われているものが、実はGoogle検索がより進化していることで、タイトルのつけ方に関係なく適切に記事を判断し、検索の上位に表示しているということも考えられる。SEO対策を謳っている記事の内容はGoogle自身がリリースしたものではなく、根拠もデータもないのにもっともらしいことを言っているだけで、実はGoogleの手のひらで転がされているだけかもしれないのだ。

さらに、SEO対策を謳っている記事の中には「Googleの検索アルゴリズムを読み解いて……」などと書かれているものがあったりするが、世界のエリート集団のGoogleが作る公開されてない検索アルゴリズムをどうやって読み解くというのだろうか、甚だ疑問だ。

このように考えると、Google検索への対策についても、無意味あるいは特別なものは不要と考えてよいはずだ。

キーワードのニーズはわかっても検索する側の考え方まではわからない

Googleにキーワードプランナーという便利なツールがある。これはどのようなキーワードで検索されているかを示す指針として有効なツールで、無料の範囲でもざっくりとした検索件数が分かるようになっている。

例えば「SEO対策」のキーワードで調べてみると(執筆時点で)月間平均検索ボリュームが1万~10万あることが分かる。しかし、これはあくまで「SEO対策」というキーワードが分かっている前提で検索された話であり、世の中の多くのが特定のキーワードで検索しているわけではないだろう。ホームページやブログへのアクセスが少ないと悩む人が最初から「SEO対策」というキーワードを知っているはずがなく、わずかな手掛かりを頼りにいくつものページを見て回り、たどり着いた結果として「SEO対策」というキーワードがあることを知るのだ。

それに、検索に慣れている人であれば、求める情報に関連すると思われる複数のキーワードで検索したりするが、そうでない場合、極端な例えだが口語調で検索したりすると、目的のページへたどり着けない場合も十分考えられるのだ。

キーワードの選定はおろそかにはできないが、それ自体がコンテンツの主体ではないことは注意すべきだ。ユーザーが探し求めるのは「既に判っているキーワードではなく、何かしらの答え」であるということに気づけば、キーワードに頼らない良質なコンテンツ作りそのものが結果としてSEO対策につながる、ということが分かるはずだ。

ユーザーがウェブサイトやブログから離れる要因を予測する

SEO対策について考えると、情報を提供する側のウェブサイトやブログの所有者にできることは、結局のところユーザーの立場から見て「求める情報があって使いやすいかどうか」ということに尽きるだろう。となると、ユーザーがウェブサイトやブログから離れる要因をより少なくすることに力を注ぐことが重要だとわかる。

では、ユーザーがウェブサイトやブログから離れる要因とはなんだろうか。

求めている情報が不足していたり、誤りや虚偽がある場合

これは純粋にコンテンツ自体に問題があるといえる。キーワードで検索した結果たどり着いたページに求める情報がない場合、問答無用でユーザーは他のページへ移動する。ありふれた内容しかないページは類似する他のページに埋もれ、検索結果の上位にあがらないことは容易に想像できる。他のページとの差別化を図るには密度の高いコンテンツを用意する必要があるだろう。

また、内容に誤りや虚偽があると訪問者が一見だけで終わってしまう可能性が高くなるだろう。情報を発信する側の意識として、誤字脱字はともかくとして、内容の正確性に気を付ける必要がある。

ウェブサイトやブログの表示に時間がかかる

最近は通信速度が速くなったこともあり、ページを表示するまでの時間を気にすることが少なくなっているかもしれないが、ページの表示に時間がかかるだけで、ユーザーは閲覧を中断することがあることを忘れてはならない。

注意しなければならないことが、WordPressやその他ウェブに関する諸々なことに精通してないために、ネットで得られた情報だけを鵜呑みにしてWordPressにやたらとプラグインを追加してしまい、ページの表示を遅くしてしまうことだ。WordPressのプラグインはいろいろと便利な機能を提供してくれるが、その分全体の速度が低下することは気を付けるべきだろう。

それ以外では、ホスティングサービスの選定にも気を付けた方が良いだろう。料金プランによっては応答速度があまりよろしくないホスティングサービスもあるため、費用を抑えるために低料金プランを選んだらパフォーマンスが良くないということもある。コストとのバランスにもよるが、ページビューが増えるペースに合わせて上位プランへ変更したり、より高速なサービスへの移転なども検討する必要がある。

また、過剰な広告を掲載するのも避けた方が良いだろう。私個人はアフィリエイトを否定しないが、広告ばかりが目についてページの表示に時間がかかるようではユーザーフレンドリーとは言えないからだ。

自分のウェブサイトがどのくらい早いのか、PageSpeed Insightsというサービスを利用するという方法がある。ページの読み込み時間を短縮するヒントが見つけられるので、結果を参考にして対策を考えることも必要だ。WordPressの場合だと、表示が遅くなる原因が追加したプラグインにあるなら、他のプラグインに変更することも検討した方がよいだろう。

読みやすい文章、まとまった内容になっているか

「SEO対策」についてネットで調べてみると、関連する情報としてページビュー(PV)を増やす方法や、アドセンスなどを利用して収益を上げる方法といった記事をよく見かける。

成功事例としてありふれた内容だったりするものが多いが、このような記事をかかれている多くに共通するものがある。内容についての信ぴょう性はともかく「読みやすい文章」であったり「まとまった内容」になっているものがとにかく多いということだ。成功事例の結果につい目を奪われてしまいがちだが、そればかりに着目せず、文章の書き方や全体の構成といったことを参考にすることが大事になってくるはずだ。

「他で成功しているようなブログと同じような書き方をしているはずなのに、自分のブログはページビューが増えない……」という場合は、もう一度自分が書いた記事を見直してみるとよいだろう。わかりにくい表現はないだろうか、根拠となる資料が不足してないだろか、ユーザーの立場に立った内容になっているだろうか、などなど……見直した結果、何か気になるようなことがあれば内容を訂正するのも大事になってくる。

SEO対策の真の答えは『Googleの「ガイドライン」を遵守する』こと

「SEO対策」とは結局どういうことなのか。Google検索のプログラムから見た場合だと「内容を理解しやすい(=情報を収集しやすい)ページの構成になっていること」であり、ユーザーから見た場合だと「もとめる情報がわかりやすくそこにあること」ということになるだろうか。

これはつまり、上でいろいろと回りくどい言い方をしているが、Googleの「ガイドライン」に従うことに他ならない。根拠のない「SEO対策」に目を通すくらいなら、ガイドライン全てに目を通した方が余程マシというものだ。ここにはGoogleがウェブページでやってほしいこと、やってほしくないことがすべて書かれている。

ページのコンテンツ自体は製作者に委ねられるが、それ以外はガイドラインに従うこと。これこそが唯一のSEO対策と言えるだろう。

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